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海辺のカフカ

e0012194_15165320.jpg誰かに村上春樹の中で好きな作品を3つ挙げるとしたら?と尋ねられたら『ノルウェイの森』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、そして、この『海辺のカフカ』と答えます。

ハードカバーはもちろん持っているんだけど、コタキナバルに行くにあたって文庫本を購入。村上作品って、通勤電車に揺られながら読むよりも、浜辺でビール飲みながら読む方がしっくりくる。文体やテンポが慌ただしくないからかな。しかも「海辺の」だし、ビーチに持って行かないわけにはいかないっしょ。

現実と非現実の曖昧さが、この小説というか、いわゆる村上ワールドの魅力であることに疑いはないと思うけど、それがこれまでの作品と較べても際だってます。ネコとお話をするナカタさんとか、アジとイワシが降ってくるとか、猫殺しのジョニー・ウォーカーとか、旧帝国陸軍の水先案内人とか、突拍子もない空想の世界。好きな人にはたまらんね。

もう一つの魅力が溢れんばかりのメタファー。初期の作品から村上さんの比喩のセンスには憧れていたんだけど、本作では、メタファーのメタファーに次ぐ連続。それぞれが入れ子になってたり、伏線になってたりするので、比喩好きとしてはずっぽりはまってしまう。

田村カフカと大島さん、ホシノ君とナカタさん、この2つの組み合わせで交わされるやりとりもオモシロイ。ナカタさんがカワムラさんやミミさんからゴマちゃんのことを聞き出すところ、大島さんが女性団体を追い返すところ、カーネル・サンダーズが哲学科の大学生を星野青年に紹介するところ、入り口の中で出会う佐伯さんと田村くん、お気に入りです。

いつか甲村図書館に行って、佐伯さんが歌う『海辺のカフカ』を聴いてみたい。
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by dlynch | 2006-03-23 23:37 | book
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