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白夜行

e0012194_21591320.jpg原作の『白夜行』の面白いところは、亮司と雪穂の行動のすべてが第三者によって語られているので、2人の人物像はもちろん、なぜその行動を起こしたのか?という動機、そのとき彼は彼女はどう思っていたか?という心理描写が読者の想像に委ねられているというところ。「行間を読む」という小説の楽しみがまさにそこにあります。

発端となった事件の原因がドラマよりも酷い設定ゆえに、その後に2人が起こす事件もより残酷。とくに雪穂が美佳を懐柔させるためにとった作戦は非道い。非道いんだけど、かといって2人に同情できないかというとそうでもない。ここが東野圭吾の筆力なんでしょうね。「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に変わるものがあったから・・・だから、失う恐怖もないの」このセリフは最後の最後に語られます。

50-60年代に生まれた人は、ときおり挟まれる時代のエピソードにニヤリとできる楽しさもあります。園田友彦は『うる星やつら』のラムちゃんが好きだっていう説明だけで、彼がどんなキャラなのかイメージできちゃうのは、その時代に生きていた者の特権だね。
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by dlynch | 2006-04-02 22:25 | book
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