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流星ワゴン

e0012194_18404264.jpg『小学生日記』に登場するモトイの「ハナエにはシゲマツの良さはまだわかんないかもしれないよ」というナマイキな発言に触発され、37歳のおいらには良さがわかるかなぁと、初めて重松清さんの小説を読んでみました。手に取ったのは『流星ワゴン』。38歳の主人公が不思議なワゴンに乗って同い年の父親に会うという設定に惹かれたのと装丁が可愛かったから。

裏表紙のあらすじを読むと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のようなタイムスリップものなんだろうなと容易に想像できるけど、この作品ではタイムパラドックスを楽しむ肝心な要素が封印されているので、あり得ない話しながらもちょっとリアル。リアルとは違うかな・・。最後の着地点が過去をどうにかして未来を変えるという安直なものではなくて、過去を受け止めて未来に向かうという、現実の人生そのものなわけですよ。読了後は晴れやかな気分になれました。

主人公が小市民というか小物というか、前半の彼の行動にはイライラさせられっぱなし。過去で出会うことになる同い年の父親が男気たっぷりのキャラなので、そのコントラストがおもしろいのと、このキャラクターの違いが二人のわだかまりの原点にもなっていて、物語の構成がとってもいいです。数少ない不満は、美代子さんはなぜテレクラに走ったのかが描かれていなかったこと。親子の物語にしたかったから、あえて男女のことは語らなかったのかな?

モトイくん、シゲマツの良さはオレにはよく分かったぞ。
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by dlynch | 2006-04-15 19:27 | book
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