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親切なクムジャさん | パク・チャヌク

e0012194_0313686.jpgそもそも、このブログを始めたのは『オールド・ボーイ』のスバらしさを伝えたい!というのがきっかけだったので、むちゃくちゃ期待してたわけですよ、パク・チャヌク監督の新作『親切なクムジャさん』には。

出だしこそ、この監督独特の細部までものすごい気を配っているに違いない舞台セットと衣装の色彩、フレームワークに興奮したものの、わかりやすいハリウッド映画に慣れきっている軟弱な頭には物語の進展と人物関係が分かりづらい。えっ?あれは誰だった?この人はさっきのあの人?あれ?いまは刑務所の話?ってな具合でして。凝った演出が楽しめなかった自分がお恥ずかしい。

一転して、画面に釘付けになったのが、ペク先生と対面して以降のシーン。復讐がテーマとはいえ、人間の暗部をあそこまで生々しく描いた演出と度胸には感服です。目を背けたくなるようなあのシーンががあったこそ、般若のようなクムジャさんの表情や成長したウォンモの幻影、真っ白いケーキに顔を埋めたところが、復讐の達成感や虚脱感として伝わってくる。復讐とはなんたるかの何分の一かが分かったような気がします。

チェ・ミンシクさんはいうまでもなく、イ・ヨンエさんは表現力のある女優さんですね。退廃的な表情にとてもインパクトがありました。『オールド・ボーイ』ファンにはカメオ出演も楽しめます。ケーキ屋の店長とか伝道師とか成長したウォンモとか。

ただ、演出が少しくどかった感があるかな。個人的には感情移入ができて、より音楽がよかった『オールド・ボーイ』の方が好き。こっちの方が疾走感があったし。でも、これは比較の問題で、『親切なクムジャさん』はこれでこれで一見の価値があるのは間違いありません。
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by dlynch | 2006-08-15 00:33 | cinema
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