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手紙 | 東野圭吾

e0012194_1192655.jpgmy best東野の『容疑者Xの献身』『秘密』。ここに『手紙』が割り込んできました。この作品には東野圭吾流の謎も大どんでん返しもありません。でも、面白い。惹きつけるものがあるとでも言い直した方がいいかもしれない。

物語は割と単純で、弟のために盗みを働くつもりだけだった兄が成り行きで人を殺してしまう。強盗殺人犯の弟に立ちはだかる差別。二人の接点は服役中の兄から、差別に苦しむ弟に届く「手紙」だけ。この手紙の出来が実にすばらしくて、兄が送ってくる手紙の木訥さと脳天気さに腹が立つらや切ないやら、そして最後の弟から兄への手紙なんて、もう・・。

もし、自分が直貴だったらどうしてるか?髭面の店長だったら?寺尾だったら?朝美の父親だったら?そんな風に登場人物と自分を置き換えること。そして、この物語の最後をどう締めくくるのか?を想像すること。この2つがこの小説の楽しみ。平野を通して語られる一つの提示には、これまた考えさせられました。優れた筆力とともに小説を堪能できる一品。はてさて、果たして映画の方は?
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by dlynch | 2007-01-20 01:19 | book
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