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99%の誘拐 | 岡嶋二人

e0012194_23254173.jpg『感染』を買ったときに、同じく帯のコピーに惹かれて何となく買ってみた『99%の誘拐』。あちらはハズレだったけど、こちらは大アタリ。のってきてからは最後まで一気読みです。

読み進めていくうちに、モデム?OCR?16ビットパソコン?とレトロな単語が出てくるので、刊行日を調べてみたら、なんと1988年の10月。20年も前に書かれた本なんですね。Color Classicに14.4のモデムをつないで、Nifty Serveをやっていた頃を思い出しました(それでも90年前半なんだけど)。パソコン通信、懐かしい響きです。犯人はそのパソコンを駆使して、前代未聞の誘拐に挑むわけですが、そのアイディアと技術的な裏付けがすごい。ま、ブルースクリーンやSad Macと対面したことのある人なら、んな完璧に行くわけないじゃんという突っ込みもあるんだろうけど、そこはフィクションと言うことで。

パソコンがこの物語りの重要なパートを占めることは間違いないんだけど、でもパソコンはあくまでも小道具。本質は、最後まで読者を連れて行く疾走感。ある段階で犯人が分かって、おおよその結末も予想がつくのに最後まで飽きさせない。というよりもどんどん引きずり込む。そこで犯人がどう動くのか?間宮は気づくのか?その辺の読者との駆け引きが実に絶妙。余計な装飾がない、シャープな文体が疾走感をさらに煽ってくれます。恋愛やヒューマンドラマがあまり絡まない純粋なミステリーとして楽しめますよ。
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by dlynch | 2007-01-30 23:35 | book
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