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6ステイン | 福井晴敏

e0012194_20242729.jpg福井晴敏さんといえば重厚な長編大作の作家さんだと思ってましたが、なんと短編もうまい。『6ステイン』を読んで、惚れ直しました。

読みやすくはないけど、筆力にパワーがあるとでも言えばいいのか、男臭い文章で徹底的に書き込んで、読者をぐいぐいと引っ張っていく(・・半分・・半分って言い回しが好きみたい)。長編を読んでるとときどきそこに疲れが出てくるんだけど、短編だと疲れる前にパンと終わっちゃって、そのバランスが絶妙。ストーリー自体は、挫折したり、引退したり、悩んでたりする主人公が、とある事件をきっかけに自分を取り戻していく、その事件も主人公たちのバックグラウンドも一般市民には非現実的な、いつもの福井節で目新しさはないけど、エピソードに気が利いてる。「畳算」にはホロリとしちゃいました。個人的には「断ち切る」が一番好きかな。福井ファンに嬉しいのは「920を待ちながら」。何が嬉しいかは読んでのお楽しみ。

ところで、文庫本のカバーデザインがやけにかっこいいなと思ったら、『ローレライ』の監督だった樋口さんのデザインなんですね。ミーハーな自慢ですが、『修羅雪姫』の特技監督をされてたときに、仕事でお会いしたことがあります。木訥とした真面目な方でした。それから数年後に監督としてブレイクするとは。サインもらっとくんだった。
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by dlynch | 2007-05-16 20:24 | book
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