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幽霊人名救助隊 | 高野和明

e0012194_0102020.jpgどこか人をおちょくっているような『幽霊人名救助隊』というタイトルですが、テーマは至って真面目。それぞれに事情を抱えて自殺してしまった4人組が神様の命により49日間で100名の自殺志望者を救うというお話です。タイトルそのままですね。

それぞれ違う年代に自殺してしまった4人が2003年に降り立つので、世代間の流行り言葉が通じなかったり、24年前に自殺した一番の古株から見た現代が語られたり、という些末なところが楽しかったのは最初だけで、読み進めていくうちにテーマそのものを深く考え込んでしまいました。

普通に人生を送っていれば自殺なんてありえないわけで、でも普通の状況でないからこそ自殺に走る人々がいる。不謹慎かも知れないけれど、まずは自分が普通に人生を送られていることそのものに感謝しちゃいました。ちょっとやそっとのことで落ち込んだり、嘆いてたらいかんとね。もう一つは、科学的に対処し、そして言葉を尽くせば自殺志望者は救えるんじゃないかということ。大学時代の友人が躁鬱病に罹ってしまって、そいつを支える奥さんの涙ぐましい献身を知ってるだけに、現実は1名を救うだけでもとてつもなく大変なことだろうけど、それでも希望はあるんじゃないかと。

こう書いちゃうと重っくるしい内容を思い浮かべるかも知れないけど、救助隊のアタフタ感や世代のギャプが面白く、文体も軽快なので、そんなに構える必要はありません。涙と笑いが交互に襲ってくる感じ。こんな人たちが今も新宿駅で見張ってるのかもね。
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by dlynch | 2007-07-17 23:59 | book
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