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HERO | 鈴木 雅之

e0012194_0455623.jpg興行収入で81億円をたたきだし、2007年の邦画部門で堂々の1位、ドラマもなかなか面白かったので、押さえとして劇場版の『HERO』を観てみたら、ただ豪勢なだけの2時間ドラマ・・・

とにかく薄い。ペラペラのわら半紙のような映画です。それではみっともないから、流行りの韓流スターを担ぎ出すために全く必然性のない脚本を盛り込み、その大物代議士は誰がやるの?という期待に応えるためにタモリを担ぎ出し、親子競演の話題性作りのために松本幸四郎を呼び、脇役も抜かりなく豪華な俳優陣で固め、笑いありつつも、恋愛を盛り込み、ホロっと泣かせようと魂胆もあり、こんな映画が作りたいという発想ではなく、ドラマがヒットしたから、その下地を活かして映画で稼ぐためには、これとこれを盛り込めば興行が見込めるんじゃない?というマーケティング的な発想から生み出された商業の極致にあるような映画です。

いわゆる法廷ものは、検察と弁護のひりひりした緊迫感、裁判所と裁判官が醸し出す粛然とした雰囲気、固唾を飲んで見守ることしかできない傍聴席の無力感がたまらなくて、好きなジャンルの一つなんだけど、もう『HERO』ではこの辺がグダグダ。最後のシーンでは腹が立つより呆れました。

唯一、よかったのは中井喜一の静かな迫力のある演技だけ。『どろろ』のときも書いたけど、こんなレベルの作品を連発していていいのか?こんな映画が興行収入1位でいいのか?今は好調でも行く末が心配な邦画です。
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by dlynch | 2008-06-12 00:50 | cinema
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