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狐火の家 | 貴志 祐介

e0012194_081654.jpg大傑作『新世界より』と同時期に出ていた『狐火の家』。貴志さんの作品はどれも好きなんだけど、正直なところ『硝子のハンマー』は印象が薄い。弁護士・純子と防犯探偵・榎本 堂々のカムバックって、帯に書かれても思い出せないくらいに。なので、そんなに期待せずに読み始めたら、ほぼその期待通りでした(苦笑)

中身は密室をテーマにした4つの短篇集。密室の謎が解き明かされるときは、それなりに凝ったトリックに驚かされるんだけど、密室であるが故に文章を脳内で空間に変換して状況をイメージしながら読み進めないと楽しむことができず、これを就寝前の寝床でやってると間違いなく睡魔がやってくるんだな。

貴志さんらしく妙にディテールに凝ってることを除けば、あっさりとした筆の運びで、純子と榎本のまさにちょっぴりファニーなやりとりが軽妙で楽しく、人物や動機の背景をつらつらと書き込むようなこともしていないので、さらっと読めます。感情を移入するんではなくて、トリックを楽しむ感じ。でも、こうさらっと読めちゃうのは貴志さんに望むところではないんだよなぁ。何年でも待つので、重厚なやつをお願いします。
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by dlynch | 2008-06-21 00:13 | book
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