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ウランバーナの森 | 奥田 英朗

e0012194_23445581.jpg偶然にもちょうどお盆の頃に『ウランバーナの森』を読んでました。お釈迦様の弟子の目連が餓鬼道で、逆さ吊りの苦痛に苦しんでいる母親を救おうとお釈迦様に相談したところ、僧侶の修行が終わる7月15日(旧暦)に、その僧侶たちに供物を捧げて供養しなさいと教えられて、ようやく救うことができたそうですが、その苦痛のことをサンスクリット語でウランバーナ、中国でこれが訛って盂蘭盆会(うらぼんえ)となり、さらに日本で簡略化されてお盆となったんだそうです。

この小説では、このお盆のオリジナルエピソードとジョン・レノン&オノ・ヨーコの軽井沢での生活が下地になってます。処女作なだけに、文体にも展開にもやや荒さが見られるものの、奇想天外な発想とそれを楽しんでみるかと思わせる、明るくて軽い文章は後の作品群に繋がってくることがよく分かります。

ただ、タオさんとジョンのやりとりを除くとあんまり好きではないかな。奥田さんのジョン・レノンへのトリビュートが強すぎて、読者である自分のイメージと衝突するのでどこかでわだかまりが残っちゃって楽しめない。あとがきで「彼を特定する固有名詞を出さなかった」としてるけど、ブラインとかキースとか出てきたら、どうしても「レノン」をイメージしちゃうでしょう。

ビートルズを知らないとそれはそれでおもしろくない気がするし、知ってると先入観が邪魔しちゃうし、この小説をおもしろいと思えるのはどんなタイプのひとなんだろう?
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by dlynch | 2008-08-29 23:43 | book
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