ワタクシの仕事における最大の自慢は、日本で最後の開催となったMacworld Tokyo 2002のキーノートに数分とはいえ登壇し、かのスティーブ・ジョブスと壇上で肩を並べたことです。えへん。
このときのリハで驚いたのは、仕切りが
Apple Japanではなく、本国のスタッフだったこと。厳重なセキュリティを通過して、会場を覆う黒い布を捲って中に入ったそこは
Apple Inc.。そして、内容のチェックが細かくて、何かといえば「それはジョブス的にNGだから変更して」(たぶん、フィリップ・シラーだったと思う)とうるさいうるさい。ジョブスというカリスマの存在を肌で感じたのでした。
『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』を読んでいると、そのカリスマを形作るネゴシエーションのエピソードがこれでもかと紹介されるわけですが、一般ピープルには真似できない交渉術ばかりなので、ここから何かを学ぶと言うよりも、歴史書でも読む感覚で、偉人の行動に驚き、憤り、感心するのが正しい読み方かな。
ちなみに、このときに眼前で見たジョブスのプレゼンはいまでも脳裏に焼き付いてます。通常、よいプレゼンターに出会ったときは、ああいう見せ方や間の取り方を自分のプレゼンにも採り入れようと考えるんだけど、あまりにもレベルが違いすぎて、どこを真似すればいいかさえ分からず、ただ、その魅力と迫力に陶酔。あれは、神のプレゼンでした。