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2008年 02月 11日 ( 1 )

誰か Somebody | 宮部みゆき

e0012194_1834277.jpg日常を切り出させたら宮部みゆきさんに敵う作家はいないんじゃないかなぁ。偉そうな書評を許してもらえるなら、久しぶりに感心してしまったのが、『誰か Somebody』です。

ミステリーとしてはとても地味なので、犯人は誰だろう?どうやって殺害したんだろう?こいつが怪しい?これなにかの伏線?というドキドキハラハラ感は薄いんだけど、聡美が抱える過去、聡美と梨子の確執、梶田が残した過去の謎、そして、図らずも今多コンツェルンと関わりを持ってしまった三郎の孤独、三郎の菜穂子と桃子への愛情。それぞれの人間模様が丁寧に、ときどきおもしろおかしく描かれていて、一言一句逃せない読書を楽しめました。

とくに終盤の水津町歴史記念館の一幕。万華鏡を比喩にした三郎の心境の描き方は好きだなぁ。これぞ読書の醍醐味。二回読み返しちゃった。歌謡曲や童話が効果的に取り入られているのも楽しいし、なんともステキな小説です。
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by dlynch | 2008-02-11 18:34 | book