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カテゴリ:cinema( 159 )

サッド・ムービー | クォン・ジョングァン

e0012194_23444357.jpgタイトルを額面通りに受け取って、これはわんわんと号泣しちゃう(しちゃいたい)映画と思ったら間違い。『サッド・ムービー』はどちらかといえば、じんわりと泣けてくる系です。

ポスターのとおり4組の男女がそれぞれに悲しかったり切なかったりする事情を抱えていて、それぞれのストーリーが微妙に交錯しながら、悲しいことに悲しい方向に向かって進みます。同じプロットの『ラブ・アクチュアリー』の場合はラブコメでそれが成功してたけど、こっちでは微妙かな。泣けてきそうになると対象が代わっちゃうので、涙が引いちゃう。ストーリーの錯綜も今ひとつ。韓国映画らしいベタベタな演出も満載なので、ダメなヒトにはダメかも。

と批判めいたコメントをしつつも、好きです。この映画。

人が人を思いやる気持ちそのものや気持ちをなかなか素直に伝えられなかったり、冗談で済ませちゃったり、そんな誰もが切なく思い出しちゃうエピソードが丁寧に描かれてる。チョン・ウソンをはじめとした俳優さんたちも魅力的で、シン・ミナちゃんのファンになっちゃいました。彼女どこかで見たことがあると思ったら『火山高』の剣士だったのね。映像がとてもきれいで、サウンドトラックもセンスがいい。寒くなってきたこの季節にはピッタリ。
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by dlynch | 2007-11-22 00:37 | cinema

どろろ | 塩田明彦

e0012194_172026.jpgたぶんつまんないだろうなと思いながらも、とりあえず話題作だからと観てしまう悪い癖。いつかはいい作品に出会うはずだという淡い期待感。そんなわけで、過去の失敗は忘れて『どろろ』を観てみたんだけど・・。

何がひどいってなによりCG。百鬼丸が戦う魔物たちのチープさといったら、テレビの特撮番組レベル。製作予算の桁が違うから、ハリウッドの超絶VFXと較べてはいけないのは分かるんだけど、観客としては同じ料金を払ってみるわけだし、もうちょっと何とかならなかったのかなぁ。アクションはいかにもワイヤーアクションだし、迫力は全然ないし、絵的にはもうさんざん。ムリに実写にするより、アニメーションでやって欲しかった。

主役の二人もいまひとつで、とくに柴咲コウが演じたどろろが妙に浮き足立ってたような感じがするんだけど、原作でもあんなキャラクターなんでしょうか?中井喜一や原田美枝子さんが巧いのは当たり前として、劇団ひとりが役者としてなかなかよかったのだけが救い。

どうやら続編につなぐようだけど、こんなレベルの作品を連発していていいのか?邦画。
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by dlynch | 2007-11-08 23:07 | cinema

ゴーストライダー | マーク・スティーブン・ジョンソン

e0012194_165956.jpg続いては、MARVEL史上最高の駄作の栄誉を贈りたい『ゴーストライダー』。いやーマイッタ。面白くなさそうな雰囲気は感じていたけど、ここまでつまらない映画だったとは。

まず、ゴーストライダーの立ち位置がよく分からない。悪魔の使いだけど、悪魔に反旗を翻したヒーローなの?ブラックハートと戦うのはメフィストに命じられたからだよね?なんで命じられるがままに戦うの?ゴーストライダーは1世代に1人だけって、その世代はどうやって決められてるんだろう?サム・エリオットは併走しただけだし。たいていの矛盾は笑って見過ごすんだけど、肝心要のキャストに矛盾があるんじゃ、ちょっとね。

この手のヒーローものに必要な敵との汗握るバトルも物足りないし(というかあっという間にやられちゃう)、VFXもそこそこでしかないし、何もかもが中途半端な印象。せめて、『エスケープ・フロム・L.A.』くらいのぶっ飛んだB級になれば救いもあったのにハンパなA級映画。
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by dlynch | 2007-11-03 01:07 | cinema

手紙 | 生野慈朗

e0012194_2351683.jpg映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶で日本中を騒がせたエリカ様。みんな騒ぎすぎ。とくにマスコミ騒ぎすぎ。ほかに報道しなきゃいけないこといっぱいあるのに。そんなエリカ様はじめ、山田孝之、玉山鉄二の主役3人と脇役の名演に思わずホロリとくるのが『手紙』です。

原作の方は、my best東野に割り込んできたくらいのお気に入りで、大抵の場合、原作を読んだあとに映画を観るとがっかりすることが多いんだけど、この作品は珍しく違う。

ミュージシャン→お笑い芸人の設定変更を除いて、原作にとても忠実で、もちろん2時間に収めなきゃいけない制約のためにいろんなエピソードが削られてるけど、骨子を忠実に守っていて、原作をリスペクトしてるのがよく分かる。お笑いへの変更にしても、今の時代感にあってるし、ラストにも巧く引き継がれてるし。原作が持つ軸をぶらさず、さらに役者陣が読者の想像力の先をいく名演を見せてくれるまれに見る傑作じゃないかな。玉山鉄二の姿には心打たれます。

ただ一方で映画じゃなくてテレビドラマでもよかったんじゃない?と思ってしまったのも事実で、映画の持つ映像のチカラをどこかで発揮して欲しかった。全体的にのっぺりしちゃってるので。まぁ、これは邦画全般にいえることでもあるけど。
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by dlynch | 2007-11-01 22:00 | cinema

私の頭の中の消しゴム | イ・ジェハン

e0012194_026759.jpgそして3度目。まだまだ『私の頭の中の消しゴム』は自分史上最高の映画です。はじめて観たときからもう2年も経ってるんだけど、未だに燦然と輝いてる。バッティングセンターと置き手紙を読むシーン。ここが私の泣きツボで、今回もまたスペインに向かう飛行機の中でうるうるしてました。

どうしてここまでこの映画が好きなのか?

それは、偶然の出会いに始まって、お互いに惹かれ合い、深く愛し合うようになる理由、幸せなときのホントに幸せそうな二人の様子、それを象徴するちょっとしたエピソード、そんな二人を襲うどうしようもない不幸を受け入れるためにとった二人の思いやりと決意。そして、最後のあの一言。恋愛のすべてをうっとりするほど理想的に描いているからじゃないかと。男らしくて無骨で優しいチョン・ウソンと可憐で世話好きで真っ直ぐなソン・イェジンが、見た目的にもこれまた理想的なカップルだし。

ああ、なんてステキな映画。
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by dlynch | 2007-10-30 00:26 | cinema

世界最速のインディアン | ロジャー・ドナルドソン

e0012194_414367.jpg熱い男をシリアスに描く映画かと思っていた『世界最速のインディアン』は、スピードに魅せられた少年のようなおじいちゃんのロードムービーでした。

世界最速を自負するおじいちゃんが、ニュージーランドの片田舎から、レース会場となる米国のボンヌヴィル塩平原を目指します。そもそも町を出るところから始まり、LAに渡る船の中、ユタに向かうための準備をするLAでの滞在、そしてユタまでのドライブ、ボンヌヴィル塩平原に着いてからレースまでにも、道中、いろんな人との出会いがあって、その関わり合いが観ていて実に楽しい。LAのモーテルのおねえちゃん(おにいちゃん?)なんかは特にね。

それなりのトラブルにも見舞われるんだけど、持ち前の明るさと誰とでも分け隔てなく接する態度で乗り切っちゃう。根拠のない何とかなるさっていう軽薄なのじゃなくて、然るべき実力を備えた人間が前向きに物事を捉えると、やっぱり何とかなっちゃうんだよねぇ。

ただ、そんな人間関係が主体の映画だっただけに、暴走族のあんちゃんたちの見送りとレース会場で手助けする怪しげな二人組との関係が描き切れていなかったのが残念。上映時間との関係かもしれないけど、中途半端になるならバサッと落としてほしかったな。それだけが残念。
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by dlynch | 2007-10-13 22:00 | cinema

イルマーレ | アレハンドロ・アグレスティ

e0012194_0584538.jpgハリウッド版『イルマーレ』を観ておきながら、感想を書くのをすっかり忘れてました。観た映画や読んだ小説の履歴を残す目的で始めたブログなのにね。まぁ、それくらいさほど印象には残らなかったということでもあるんですけど。

アジアンな奥ゆかしさが効いていたオリジナル版に対して、良くも悪くもハリウッドテイストが添加されたリメイク版はストレート。そのストレートさがどうにも受け入れられなかったのは、手紙がまるでチャットのように行き交うところ。相手にいつ届くか、相手からいつ送られてくるかの間が手紙のいいところなのに、あんな風にびゅんびゅんと飛び交って、おまけに届いたことが分かるようにレバーが閉まっちゃうのはちょっとなぁ・・。

恋愛の進行もストレートで、手紙の交換が始まったと思ったら一直線に熱愛へ向かってまっしぐら。見知らぬ人から、しかも時間がずれてる彼方から手紙が来たら、もうちょっと疑心暗鬼にならないかなぁ。まだ事情を知らないケイトに秘密を打ち明けちゃうのも、ストレート過ぎるというか、情緒がないというか・・。

そんなわけで、キアヌ・リーブスがなかなかよかったことと弟とのエピソードがステキだったこと、最後に流れたポール・マッカートニーのThis Never Happened Beforeがしんみりとよかったことを除けば、オリジナルの韓国版の方が好き。ポールのアルバム買わなきゃ。
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by dlynch | 2007-09-29 00:58 | cinema

ファンタスティック4 銀河の危機 | ティム・ストーリー

e0012194_0171756.jpg前作を観たのがちょうど2年前。そのときの感想をこんな風に書いてます。「あーおもしろかったねぇ、で終わりなのでした」「もう一つ何かが欲しかったかな」。

残念ながら『ファンタスティック4 銀河の危機』を見終わったあとも同じ感想。日本人としては、日本の描き方がだめだめだった分、今回の方がマイナス。最後のあれは中国・・だよね?

全体的になんかこうパンチに欠けるんだよねぇ。それはたぶんヒーロー4人組に危機感がなくて、責任感が薄いところにあるような気がする。普通の生活がお望みなら、それについてもっと悩んだり、葛藤があったりすべきだと思うんだけど。結局、敵とは(ビクターは除く)誰も戦ってないし。

この手の映画のご多分に漏れず突っ込みどころも満載で、ん?あれ?というシーンも多い。敢えて気にしないのが作法だとしても、シルバーサーファーの翻意はどうにも納得いかない。そんなに強いんだったら最初からやっとけよ!と。個人的な突っ込みとして、ジェシカ・アルバちゃんは金髪よりも黒髪の方が似合うと思うんだけどな。でも、そうするとさらにジョニーと姉弟に見えなくなるか。
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by dlynch | 2007-09-28 23:59 | cinema

トリスタンとイゾルデ | ケビン・レイノルズ

e0012194_23182281.jpgかの『ロミオとジュリエット』のモデルとなったという『トリスタンとイゾルデ』。東ローマ帝国が滅んだ直後のイングランドの王子とアイルランドの王女の古典的な悲恋の物語。

イゾルテはもっと線の細い可憐な女性の方がよかったんじゃない?という極めて個人的な好みを別にすれば、取り立ててケチをつけるところのないオーソドックスな、あまりにもオーソドックスな話の運び。驚かせたり、興奮させてくれなくてもいいけど、せめて泣かせてほしかった。

女性だったらジェームズ・フランコのきれいな顔立ちを堪能できる楽しみがあるかも。彼は『スパイダーマン』でも苦しみを抑えた切ない表情してたから、いつかコメディをやって欲しいね。
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by dlynch | 2007-09-10 23:25 | cinema

ラッキーナンバー7 | ポール・マクギガン

e0012194_1773416.jpgこれだけの豪華キャストなのにたいした話題になかった『ラッキーナンバー7』。TSUTAYAで見かけて初めてその存在を知りました。

青いシートが眩しい空港の待合所で、いきなり「There was a time」と話しかける車いすのブルース・ウィリス。さらに続くカンザスシティ・シャッフルという訳の分からないキーワード。なんだか映像がスタイリッシュだし、こりゃー気鋭の新人監督のマスターベーション映画かなぁ、寝ちゃうかもなぁと思っていたんだけれども・・。

ジョシュ・ハートネットとルーシー・リューが登場した辺りから(この二人が実によかった)、コミカルなテイストになって、モーガン・フリーマン、ベン・キングズレーを交えた無茶な展開がなかなか楽しい。スレヴィンがなんだか怪しいしいと思っていたら、なんとそういうことだったのね。そんなに驚愕のラストとは思えなかったけど、全体に張り巡らされた伏線が見事で、脚本の完成度を感じました。練りに練ったんだろうな。

インテリアを含めたファションセンスがまたすばらしくて、それぞれの役回りに合わせたクラシカルなファッション、アパートメントの壁紙、ギャングのアジト(と呼ぶにはオシャレ)の内装、色彩のコントラストなどなど、本編以外のところでも楽しめます。
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by dlynch | 2007-09-09 17:01 | cinema