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Roussewaltz Presents!

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仕事仲間のKalinちゃんがダンサーであることは知ってるんだけど、どんなダンスを踊っているかは知らない。その華奢な身体と楚々とした雰囲気からHipHopじゃないことは予想がつくんだけど、そもそもダンスといっても、社交とかフラメンコとかタンゴとかマンボとかコサックとかブレイクとか、そんな貧困な知識しかないので、コンテンポラリーダンスといわれてもよくわからない。じゃ、観てみようということで、彼女が参加しているRoussewalts「Presents!」というリサイタルに行ってみました。

ちょっと感動。

ヒトの躍動感というのか、ヒトが持つ表現力というのか、そういうウチから湧き出てくるパワーがダンスという形を借りて解放されてる様子に感動。それが集団で表現されると圧巻。そんなダンサーを出しゃばらずに引き立てるシンプルな舞台装置や陰影が効いた照明も見事。最後にバックが白から黒に変わり、粉雪が舞う中でダンサー全員が踊る様子にはシビレました。

すごいよKちゃん。こんなすごいことやってたんだ。暗黒舞踊なんてからかっちゃってゴメン。
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by dlynch | 2006-09-29 23:38 | others

風の中の翅のように | 船山馨

e0012194_23491681.jpg大学の頃は手当たり次第に本を読んでいたので、図書館に通う傍ら、古本屋にも頻繁に足を運ぶこともしばしば。そのほとんどは処分しちゃったんだけど、手放せなかったお気に入りの一つが、この『風の中の翅のように』。主人公は請われて浅草オペラの舞台装置を手伝うんだけど、この題名はオペラの『リゴレット』にかけてるみたいです。

その男爵家の生まれでありながら華族の特権意識を嫌って出奔し、画家を目指す主人公の曽根と彼が下宿する印刷所のバツイチ娘との関係を軸に、留置所で出会った革命家、勝ち気な曽根の妹、特権意識が抜けない弟、社会主義に傾倒していく元使用人、友達の演歌師など、個性溢れる登場人物がみんな魅力的。とくに曽根の下宿先の周吉・多津子の江戸っ子人情とアナキストである久坂の信念には心打たれます。これこそが人と人とのつながりであり、自分が自分であるということの見本。現代のコミュニケーションの薄っぺらさを感じずにはいられません。

大正という時代を背景に、山県有朋や大杉栄、甘粕正彦という実在の人物と創作した人物が交錯するところや当時の東京の様子が語られるのもおもしろい点の一つ。四谷大木戸(いまの四谷4丁目)は「馬糞臭い土埃立つだだっ広い道の両側に、古びた低い家並み」、目黒の碑文谷は「閑寂な田園風景」ですからね。ほんの90年前の東京って、そんなだったんです。

残念ながら新刊では出てないんですが、古本屋で見かけたら是非読んでみてください。
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by dlynch | 2006-09-25 00:06 | book

二島縁起 | 多島斗志之

e0012194_039258.gifこれで多島作品の4冊目となる『二島縁起』

『不思議島』と同じく瀬戸内海を舞台にしてますが、こちらは恋愛めいた話はほとんど登場せず、代わりに、アウラ衆やヌレワラジオヤ、オタメシという民俗学的な要素が謎に絡んでくるミステリー。主人公がちょっぴりハードボイルドで魅力的です。もっとも彼に似合うのはバーボンじゃなくて、焼酎だけど。

岐阜の山間部で育った身には、瀬戸内海というシチュエーションと海上タクシーという未知の乗り物が出てくるだけで非日常な気分に浸れ、独特な方言もそこに色を添えてくれます。派手なミステリーではないけど、謎のバランスがとてもいい。それに『離愁』のときもそうだったけど、イントロの謎めいた会話がどう本文につながっていくかも多島作品の楽しみの一つかも知れません。

ところで、ガル1号と2号はどこにいるんでしょうね?
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by dlynch | 2006-09-21 23:59 | book

チキン・リトル | マーク・ディンダル

e0012194_1932593.jpgいろんなパロディの要素が盛り込まれているので、もっとアメリカの大衆文化に親しんでいれば、さらに楽しめたんじゃないかと思ったのが、この『チキン・リトル』。イギリスの寓話が下地になってるんだそうです。

主人公のチキン・リトルがかわいらしくて、子供向けの分かりやすいファンタジーで、PIXERとは違うディズニーらしいアニメーションやカメラワーク、おまけに声優さんがとてもよいと(チキン・リトルはもうちょっと幼い声の方がよかったかな)、どこをとってもよくできてるんだけど、そつがなさ過ぎてなんだか学級委員長のような印象を受けちゃいました。子供と一緒に観るにはよい映画です。

どうしても好きになれないのはベースボールの試合でラッキーだけでヒーローになっちゃうところ。「信じれば願いは叶う」のはいいんだけど、信じただけで願いが叶っちゃうのは甘いんじゃないかなァと思ってしまう37歳なのでした。
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by dlynch | 2006-09-17 19:40 | cinema

ALWAYS 三丁目の夕日 | 山崎貴

e0012194_145257.jpg号泣したとメールで知らせてくれたAちゃんには申し訳ないんだけど、おいらは『ALWAYS 三丁目の夕日』では泣けなかったよ。いい映画なんだけど、ただそれだけというか・・。

鈴木オートのところも、文学のところもよくあるエピソードで、集団就職とくりゃこういうことだろう、縁も所縁もない子供を預かったとなりゃこうなるだろうという予想通りに粛々と物語は進んでしまって、ああくるなあってところで、感動シーンが始まってメインテーマが流れる。こういう映画なので奇をてらったり、大どんでん返しがある必要はないんだけど、あまりにもスタンダード過ぎるんじゃないだろうか。

もう一つの不満は演出過剰、演技過剰なところ。鈴木オートのガンコオヤジぶりも、文学のダメぶりもやりすぎでくどく感じちゃう。くどいといえばメインテーマも。せっかくいい曲なのに、感動シーンの度に曲がかかると、はい泣くところですよぉと言われているようで。

あらゆるところで絶賛されている映画にこんなにいちゃもんをつけるなんて、もしかしておいらは純な心を失なっちまったのかなぁ?

#ちなみによかったなぁと思えたのは、舞台となった昭和33年のリアリティと六ちゃんを演じた堀北真希ちゃん。
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by dlynch | 2006-09-16 01:09 | cinema

フライトプラン | ロベルト・シュヴェンケ

e0012194_031367.jpgおもしろくない訳じゃないけど、おもしろいよって人に勧めるほどでもない。なんだか中途半端な印象が残ってしまった『フライトプラン』ジョディ・フォスターが3年ぶりに出演する映画だから、ってところに期待しすぎちゃったのかも知れない。

これどうやって話を着地させるのか?ナイト・シャマラン的な方向に行くのか?とドキドキできたのはおもしろかったんだけど、後半の謎が解けてからがちょっとねぇ・・。それと、消えてしまった娘を捜すために、他の乗客の迷惑も顧みず、客室乗務員に無理難題を押しつけ、挙げ句の果てにとんでもないことをしでかすカイルに嫌悪感を抱くのはジョディ・フォスターの演技力の為せる技としても、アラブ人へのあの態度はないんじゃないかなぁ。だいたい、そのアラブ人のあの伏線はいったい何だったんだろう?

それにしてもあの2階建ての飛行機はいいですね。バーカウンターはあるし、ファーストクラスのすばらしいことったら。AAUAにも是非導入して欲しいもんです。子連れは必ずチェックするということで。
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by dlynch | 2006-09-15 00:46 | cinema

離愁 | 多島斗志之

e0012194_0451857.jpgただいま、多島斗志之さんにハマってます。一人の作家にハマったのは貴志祐介さん以来かな。『離愁』という、タイトルだけで泣けてきそうな文庫を手に取ってみました。文庫化にあたっては、刊行されたときの『汚名』を改題したそうですが、ボクには『離愁』の方がしっくりきます。

僭越ながら『不思議島』のときに「少しだけ古い感じのする、淡々とした」と評した文体が、大戦前後の昭和を舞台にするこの作品では見事にぴったり。第四章の手記は別としても(これはこれで現代人にはおもしろい)、第十章のXX!の独白は雰囲気が良く出てます。多島さんの文章ってどこが魅力的なんだろう?特徴のある文体ではないのになぜか心に残る。「淡々とした」印象を受けるように文体そのものは簡潔なんだけどなにかが伝わってくる。とくに女性の描写が清潔に生々しい(うまい表現が思いつかん)んですよね。

物語りは極上の大人のラブストーリーです。そしてちょっぴりミステリー。
甥が叔母の半生を調べるうちにいろいろと明らかになるという、ときどき見かける構成ですが、この手の筋立てに、どうして主人公はこんなに好奇心旺盛にズカズカと他人のことを調べるんだろう?って違和感を感じたことはありませんか?この作品では、その辺の必然性が見事です。

とびらで始まる「今のわたしたちが交わす・・・お伝えへします。」という言葉が何処へつながるのかはお楽しみ。しんみりしちゃいます。
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by dlynch | 2006-09-06 01:26 | book

スーパーマン リターンズ | ブライアン・シンガー

e0012194_23532512.jpg予告編にワクワクし、必ず観に行くと決めていた『スーパーマン リターンズ』。劇場で観て大正解です。

何がすごいってそのVFX。空を飛ぶスーパーマンの疾走感がすごい。旅客機を止める重量感がすごい。マシンガンの弾を跳ね返す強靱な肉体感がすごい。予告編でピストルから発射された弾がスーパーマンの目に当たって、ひしゃげて、ポトッと落ちるってシーンがありますが、あんな見事なVFXの連続です。邦画でも当たり前になった感のあるVFXですが、いやはやハリウッドのCGの底力を見せつけられました。ブラジルとジャパンぐらいレベルが違う。

もう一つ感心したのが、こいつこそCGじゃないの?と思わせるような完璧な肉体美と端正な顔立ちのブランドン・ラウスクリストファー・リーヴ以外にはあり得ないと思われたクラーク・ケントを、もしかすると彼以上に演じてました。これって、すごいことですよ。

残念だったのは、お話が中弛みしちゃったこと。154分と長いこともあって、睡魔に襲われることもたびたび。120分くらいにまとめてくれるともっとよかったのに。でも、旅客機をスタジアムに降ろして歓声を浴びるところなんかは鳥肌ものだったし、ケヴィン・スペイシーは名優ぶりを発揮してたし、夏の終わりにはオススメの映画です。テレビで観ちゃダメですよ。
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by dlynch | 2006-09-05 23:53 | cinema

X-MEN | ブライアン・シンガー

e0012194_1918239.jpgMarvel Comicsから映画化されたなかで、ダントツに好きなのがこの『X-MEN』。ちなみにコミックの方は読んだことがありません。

生まれながらに超能力を授かってしまったために、周りから疎まれ、人類から迫害を受けてしまうミュータント。その迫害への対処で真っ向から対立するプロフェッサーXとマグニートー。好きなのはこの構図なんですよね。ヒーローはその超能力ゆえに声援を送られるのが普通なのに、ミュータントたちは超能力を隠すように生きている。彼らにとっては、超能力じゃなくて、異能力なわけで、この苦悩と孤独が悲しい。

人を操る、嵐を起こす、目から光線を出す、他人に化ける。ミュータントによっていろんな能力があって、その能力を駆使して戦うのは男の子的に好きなところ。そして、そのミュータントを演じる役者さんがみんなかっこいい。最近では、上品な役所が多いヒュー・ジャックマンだけど、むせるように男臭いウルバリンこそ、彼のはまり役だと思う。なんといってもかっこいいのはマグニートーのイアン・マッケラン。威風堂々とした立ち姿にしびれる。

『X-MEN ファイナル ディシジョン』の公開が楽しみです。
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by dlynch | 2006-09-04 19:40 | cinema

機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛- | 富野由悠季

e0012194_1111810.jpgいろんな議論を呼んだテレビ版のラストですが、リアルタイムで見ていた当時はさほどショックを受けず、むしろ、その頃は安直なハッピーエンドが好きじゃなかったので、こういう終わり方もありだよなと冷静に受け止めてた記憶があります。そして、劇場版『機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛-』のラスト。やっぱりこう来ましたね。まぁ、こっちもありかな。ファーストのキャラで締めくくったのはナイスな演出。ただ、カツとエマが戦死して、クアトロが行方不明という状況で、アーガマの連中があんなに浮かれてしまうのは納得いかない。

この3部作を立て続けに観て、思い入れをなるべく排除して思うのは、20年を経て「新訳」と銘打って劇場版を制作するならば、脚本も映像も音楽もやり直して、一から製作すべきだったのでは?ということ。そんなん言われんでもわかっとるわ、制作費はあれへん、来年までに公開せにゃならん、でも儲けえといわれとんのにこうするしかないやんけ(なぜか大阪弁)と富野さんが思ってるかどうかは知りませんが、『イノセンス』『スチームボーイ』のような作品を観たあとではそう思わざるを得ない。いくつかの新エピソードと新カット、とくにモビルスーツや艦隊がよかっただけに、すべてを新たに翻訳し直したZを観たかった。これが総括です。
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by dlynch | 2006-09-04 01:18 | cinema