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皇帝ペンギン | リュック・ジャケ

e0012194_0124616.jpg『皇帝ペンギン』はなんだか絵本を読んでいるかのような映画でした。エロティックな求愛のシーンは、見事にフランス映画だったけど(笑)

原題は「La Marche de l'empereur」。直訳すれば「皇帝の行進」かな。求愛のためにほぼ同じ日、ほぼ同じ場所を求めて行進する皇帝ペンギン。やがて、卵を産んだ母ペンギンは父ペンギンに卵を預け、自身の栄養補給と生まれてくる子供のために魚を求めて行進、戻ってきた母ペンギンと入れ替わりに栄養補給に海へ戻る父ペンギン。そして、成長して海へ飛び出す子ペンギンの行進。そのユーモラスな行進の様子が自然に笑みを誘います。

動物の子供は無条件にかわいらしいんだけど、中でも一歩外へ踏み出した子ペンギンがやっぱり寒くて親ペンギンの足下に戻る姿はかわいかったなぁ。

皇帝ペンギンの子育てはタイヘン、弱いと死んじゃう、南極の自然は厳しい。言葉にしちゃうと陳腐なんだけどシンプルにそんなことが感じられます。
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by dlynch | 2006-10-30 00:36 | cinema

ミュンヘン | スティーブン・スピルバーグ

e0012194_123468.jpgまるでドキュメンタリーを見ているかのような暗殺。現実の暗殺は『ミュンヘン』で描かれるように淡々と成し遂げられるものかも知れません。もっとも平和な日本にいる者としては推測するしかないのだけれど。

今年のアカデミー賞の5部門にノミネートされたようですが、そこに編集賞と作曲賞が含まれているのがよく分かるキレのいい編集とカメラワーク、それにサウンド。マイケル・マンとはまた違ったテイストのざらつきのある映像が印象的。70年代初頭の各国の都市がごく自然で、この辺りはさすがはハリウッド、さすがはスピルバーグ。作り物的な感じが全くしません。

イスラエルとパレスチナの関係にさほど明るくない私には、肝心のこの作品のテーマをきちんと理解することが出来ませんでしたが、それでもブラックセプテンバーのアリがそうとは知らずにモサドのアヴナーと語り合うシーンで使われた"Home"という言葉には考えさせられるものがありました。対照的なラジオの曲を取り合うシーンにもね。

そのアヴナーを演じたエリック・バナがよかったですね。
狙う立場から狙われる立場に転じてからは明らかに顔つきが変わったし、そこで苦悩する姿が痛ましかった。いろんなことを考えされられます。
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by dlynch | 2006-10-29 01:23 | cinema

交響詩篇エウレカセブン | 京田知己

e0012194_17394535.jpg予約リストを消すのを忘れてたためにたまたま『交響詩篇エウレカセブン』が録画されてたので、何となく見始めたんだけど、これがおもしろいのなんのって、25年ぶりに自分史上最高のテレビアニメを更新したかも。

一言で言えば一人の少年が成長していく物語り。
Boy meets Girlで始まって、その恋愛模様を軸に、SFアニメらしい謎があって、自問自答があって、家族ドラマがあって、男と男の友情があって、女と女の友情もあって、男女の愛もありと、少年が成長していくのに欠かせないエピソードが散りばめられてる。

子供の頃、ロボットアニメを観て思ったことありませんか?
戦争だから、敵だからって、次々と敵方のロボットを粉砕して喜んでる主人公はなんて残酷な人間なんだろうって。敵を倒すということはどういうことなのか。それに対する回答がきちんと描かれているのが、この作品で一番好きなところです。

モーリス、メーテル、リンク、あるいはチャールズとレイ、ジョブスとウォズといった登場人物のネーミングやサブタイトルのあからさまな引用にはときどきニヤリ。ray=outやデューイの演説のようなメディア戦略がアニメ(子供向けであるはずの)に取り入れられるのは新鮮。

絵のクオリティも高く、戦闘シーンもかっこよく、テクノ系の音楽もいい。この作品にはアニメーションのいいところがつまってる。アニメはあくまでもジャンルの一つ、ジブリピクサーが好きという非オタクな人も楽しめるはず。

「ねだるな。勝ち取れ。さすれば与えられん」まったくそのとおりだよな。
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by dlynch | 2006-10-21 17:48 | teevee

青が散る | 宮本輝

e0012194_18234052.jpg大学4年間の青春がぎっしりと詰まっている『青が散る』を読み返す度に、学生のときに読みたかったと切実に思う。もし読んでたら、確実に違う大学生活を送っていたはずだから。

テニスにスキーに映画に音楽に本にバイトにファッションにゲームにクルマに合コンにときどき勉強にと、興味のあることに片っ端から首を突っ込んでいたあの4年間は、どれにもそれなりに力を注いでいたので、後悔はないのだけど、たった一つのことだけに打ち込んだ燎平の4年間と較べるとなんだか薄ぺっらいような気がしちゃう。何かに全力で熱中できるのも若者の特権だよね。

圧巻なのは燎平とポンクのシングルスの模様が描かれるシーン。テニス経験者ならきっとコートの匂いとか風とか声援とか汗とか日差しとか、いつかの自分が感じた何かを思い浮かべながらページをめくるはず。今回読み返した中で一番印象に残ったのはここでした。

次に読み返すのはいつだろう?
そのときもまだブログを続けてたら、今度は燎平と夏子の恋模様について書いてみようかな。
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by dlynch | 2006-10-15 18:52 | book

ULTRAMAN | 小中和哉

e0012194_2149341.jpg2004年に公開したものの話題になることはほとんどなく、続編も中止になってしまったらしい『ULTRAMAN』。かくいうボクも円谷さんと仕事することがなかったら、その存在すら知らなかったでしょうね。岡山から帰る新幹線の中で、暇つぶしに見始めたわけですが・・おっ?なんかおもしろいぞと思ったときにはディスプレイに引き込まれ、あっという間の97分でした。

テレビシリーズとの決定的な違いは、ウルトラマンに変身する主人公が妻子を持つ大人の男であること。これだけで俄然リアルさが増します。といっても、くたびれたスーツを着たサラリーマンが変身するとコメディになっちゃうので、そこは男の子なら誰もが憧れたことがあるF15のパイロットという設定ではあるけど、ウルトラマンを見て育ったのはちょうど真木の世代な訳で、真木に自分を重ねてみてしまうわけです。裕木奈江みたいな奥さんいいなとかね(笑)

正直、ドラマの展開は古くさいし、ありきたりの話といってしまえばそれまでなんだけど、ウルトラマンでこれをやったのはすごいと思うな。ボクの中では、アメコミの『スパイダーマン』『スーパーマン』と同列。少なくとも『デアデビル』よりは好き。ま、この辺の作品と較べるとVFXはさすがにしょぼいけど、しょうがないじゃん。制作費が3桁くらい違うんだもん。ところで、バックのギターがかっちょいいなぁと思ってたら、音楽監修はB'zのTAK MATSUMOTOさんでした。

ウルトラマン?子供向けじゃんという偏見を横に置いておくことができるる方にオススメです。
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by dlynch | 2006-10-07 22:06 | cinema

パッチギ! | 井筒和幸

e0012194_23451049.jpg68年というまさに私が生まれた年の京都を舞台に、在日というデリケートな問題を扱った『パッチギ!』

今が旬の沢尻エリカは、これまでは地味な顔立ちの華のない女優さんだなと思ってたけど、『パッチギ!』で、彼女に思いを寄せるコウスケに見せる微妙な表情が、そのときそのときの心情をごく自然に反映していて、思わず見とれちゃいました。コウスケ役の塩谷瞬(どっかで見たと思ったら白夜行の高宮だ)も、アンソン、バンホー、チェドキの朝鮮高校生もよかったし、日本の若手俳優も捨てたもんじゃないね。大友康平とオダギリジョーもナイス配役。

ザ・フォーク・クルセダーズの『イムジン河』と言う曲がテーマになっていて、この曲を巡るエピソード、コウスケがアンソンの壮行会に顔を出すところや、ギターをXXするところ、終盤のラジオ局での演奏とそのあとのシーンにはジーンと来ました。泣けるというより染みるって感じかな。チェドキがコウスケに教えた韓国語の伏線はベタだけど、お涙ちょうだいだけで終わらせなかったところが好きです。

ただ、喧嘩のシーンが多すぎ。キョンジャとコウスケのドラマにもっと時間を割いてあげた方がよかったんじゃないかな。それと、あまりにも反日に寄りすぎているのも気になった。確かに過去に日本人が犯した罪は背負わなければならないけど、何度謝っても許してくれない、何かと過去の過ちを蒸し返す韓国の自虐的な態度を、またここで持ち上げるのはどうかと。青春映画としてはよかっただけに、ここだけが残念。
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by dlynch | 2006-10-06 23:58 | cinema

X-MEN2 | ブライアン・シンガー

e0012194_001311.jpgX-MEN3に備えて、この『X-MEN2』で予習完了です。

3部作の真ん中となると大抵の場合は見終わったあとにすっきりしない感に襲われるもんですが、このパート2は違う。次への期待を抱かせ、謎を残しつつ、あぁ1本の映画を観たなぁという気分にさせてくれる。これまで観た映画の中でベストのパート2作品です。これで俄然パート3を観る気が沸いてきました。

マグニートーファンとしては、ストライカーに弄ばれる前半はやるせなかったんだけど、だからこそ対照的なプラスチックの独房から脱出するときの堂々とした佇まいに拍手喝采。いっけー!ぶっとばせー!と叫んでました(近所迷惑なので心の中で)。彼の右腕ミスティークも大活躍。彼女はちょっと悲しい女性。そして、ほとんど見せ場のなかったサイクロップス。別の意味でちょっと悲しい。個人的にはパイロに大注目です。
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by dlynch | 2006-10-01 23:59 | cinema