ブログトップ

cinema and book

killbill.exblog.jp

<   2007年 02月 ( 8 )   > この月の画像一覧

ジャーヘッド | サム・メンデス

e0012194_21535370.jpg戦争を題材にした映画はいろいろあるけど、この『ジャーヘッド』はかなり異色。ドラマティックな演出も迫力の戦闘シーンも敵をなぎ倒すヒーローも存在しない、まるでドキュメンタリーのように兵士の日常を淡々と描いてます。

湾岸戦争という、別に米国がどこかに攻められたわけでもない、直接的な被害を被ったわけでもない、乱暴な言い方をすると極めて政治的な戦争に参加した実際の兵士はあんなのだったかも知れません。士気って怖い。ある意味、今まで観た戦争映画の中で一番恐ろしい映画だったかも。

建物ごと一気に焼き払う戦闘機、ライフルのスコープから覗いた人型の的、罰ゲームにやらされる糞尿の処理(24のあの人の姿が!!)、火のついた油田を行進する兵士、そこに登場する馬、CRYSTAL GEYSERのパッケージ、砂漠に残る白い足跡。なんか印象に残ってるんだよな。
[PR]
by dlynch | 2007-02-26 22:35 | cinema

チェスト | CRAPO

インテリアが大好きです。
東京インテリアショップを片手に都内のショップを片っ端から見て回ったり、Truckgrafに行きたいがために大阪出張を組んだことも。そんなことをしてると、どんどん目が肥えてきて、欲しい家具の値段がどんどん上がります。ブランディングにかけたお金を家具に転化してるお店もいっぱいあるけどね。そして、行き着いたのはオーダーなのでした。
e0012194_21472286.jpg
ベッドフレームに続いてCRAPOさんに作ってもらったのはチェスト。オーダーは確かに高いけど決して割高じゃない。品質でarflexConranあたりと較べたらむしろ安い。しかも、自分がイメージする家具が部屋にピッタリのサイズで仕上がってくるわけで、この先大きな家具をショップで買うことはないだろうなぁ。いま気になってるのはStandard Tradeholly wood buddy。名古屋出張でも仕込むかな。
[PR]
by dlynch | 2007-02-23 22:51 | others

オリバー・ツイスト | ロマン・ポランスキー

e0012194_22363144.jpg『オリバー・ツイスト』を観ながら、世界名作劇場の『小公女セイラ』を思い出してました。どれだけいじめられても、恨み言一つ言わないセーラ。彼女が責められる理由なんてどこにもないのに、どうしてああまで執拗に不愉快な思いを与え続けられるのか?いじめる側の心理が不可思議に思えたもんです。

で、調べてみました。だって、いい歳した大人たちが孤児だからというそれだけの理由であそこまでオリバーくんに辛く当たるものなのか?おかわりしたからってそこまでしなくても、って現代人なら国を問わず疑問に感じるはず。

舞台になってる19世紀の英国って産業革命の直後で、工業化が加速したもんだから、労働者が爆発的に増えた時期なんですね。インフラも整ってないのに人だけ増えると、いろんな問題が起こってくる。住宅とか衛生とか。教育なんて二の次。そんな荒んだ大人たちにとって子供、とくに孤児は安いだけの労働力だったんだろうと推測しました。詳しくはこちらを。もっと世界史を勉強しておくんだった。

当時の英国の様子が田舎も都会も田園もスラムも昼も夜も見事に描かれていて、全編を通して絵画のようにきれいで、雰囲気のある映画なんだけど、それで終わっちゃってるのが残念。オリバーくんに意志力がないので、ただのラッキーボーイに見えちゃう。ポランスキーはこの映画で何を語りたかったんだろう?
[PR]
by dlynch | 2007-02-19 23:42 | cinema

きいてほしいの、あたしのこと | ウェイン・ワン

e0012194_1841255.jpg少女とわんこが主人公という時点で、悪い印象の持ちようがないんだけど、それを差し引いてもハートウォーミングな気持ちになれる『きいてほしいの、あたしのこと -ウィン・ディキシーのいた夏』

ウィン・ディキシーくんのほのぼのとした感じと、お母さんがいなくて、友達がいなくて、淋しいんだけどなかなか勝ち気なオパールちゃんの組み合わせがとってもいい。ウィン・ディキシーが行動的なオパールのクッションとなって、友達の輪が広がっていく様が好きです。その友達になる人たちがオパールに与える影響もすごくいい。

一見、雑種か?と思わせるウィン・ディキシーは、原作のイメージということでフランスから連れてこられたピカルディー・シェパードという犬種だそうですが、原作を読んでなくてもこの作品の役柄のイメージ通り。なまじ知られてる血統書犬だと、犬種による固有のイメージがついちゃうし、ぴかぴかの血統書犬というのも役柄的に合わない。そして、こいつが笑うんです。ホントに笑ってるのか、VFXなのかは分からないけど。

一方のオパール役のアンナソフィア・ロブちゃん。『チャーリーとチョコレート工場』でくちゃくちゃとガムを噛んでた小生意気なあのガキですが、淋しいけど強くあろうとするその姿が健気でかわいらしい。

一つだけ残念なのはその題名。
原題の「Because of Winn-Dixie」をうまくアレンジすればよかったのに。
[PR]
by dlynch | 2007-02-18 18:41 | cinema

嗤う闇 | 乃南アサ

e0012194_1325855.jpg一時、乃南アサにはまった時期がありました。後にヨメとなる女性が貸してくれたのがきっかけ。それまでサスペンスというジャンルを読んだことがなかったので、とても新鮮で片っ端から読み漁った記憶があります。最初に読んだのは何だったかな?『幸福な朝食』だったか『6月19日の花嫁』だったか。いずれにせよ『凍える牙』でなかったのは確かで、これは乃南熱が落ち着いた頃に読みました。

というわけで『嗤う闇』
『凍える牙』でデビュー?した女刑事 音道貴子シリーズの第三弾です。女性である彼女の視点や体験を通じて語られる警察組織や刑事、事件がこのシリーズの魅力の一つですが、本作でもそれは健在。短篇集だけに事件の規模も小さいのでサスペンス性は薄いんだけど、代わりに際だつのが登場人物たちの心理描写。さらりとした行間から音道さんのため息が聞こえるようで、乃南さんの魅力はやっぱりこの細やかな心理描写ですね。

ところで音道さん、最初の頃に較べるとカドがとれたような。
[PR]
by dlynch | 2007-02-17 01:52 | book

キング・コング | ピーター・ジャクソン

e0012194_230736.jpg『キング・コング』って、もの悲しいお話だったんですね。「巨大ゴリラ!? NYで暴れる!!」みたいなパニック映画を勝手に想像してました^^;

何よりも見事なのはキング・コングの表情。CGなのか着ぐるみなのかは分からないけど、とにかく作り物には違いない巨大ゴリラには「顔」がちゃんとあって、人であるアンと確かに交流している。夕日をバックにしたシルエットもそう。そこには存在感がある。迫力満点の恐竜との戦いは確かにものすごいVFXなんだけど、30年代の空気感を醸し出しているNYとか、スカル・アイランドの物々しさとか、そしてキング・コングとか、よくもまあCGであれだけの表現ができるもんです。ただただ脱帽。

惜しかったのは3時間を超える上映時間。あれ?これキング・コングだよね?という前半部分は後半につながっていくところも多いので仕方ないとして、スカル・アイランドでの恐竜や昆虫のCGはカットしてもよかったのでは?そして、どうしても突っ込んでおきたかったのは、振り回されても、飛ばされても、たいした傷もしてなければ、さほど服も汚れていないナオミ・ワッツ。それにあんなにブンブン振り回したら、首の骨折れるか、少なくとも失神しますって。
[PR]
by dlynch | 2007-02-13 23:01 | cinema

Vフォー・ヴェンデッタ | ウォシャウスキー兄弟

e0012194_2374582.jpgウォシャウスキー兄弟の製作、脚本と聞いて『マトリックス』ばりの斬新なアクションの連続を期待すると肩すかしを食らうけど(スローモーションと剣の残像を活かした大立ち回りをもっと観たかった)、『Vフォー・ヴェンデッタ』は政治とエンターテイメントがほどよく融合したなかなか興味深い作品。マイノリティって極限的な状態になると迫害されるんですよね。ナタリー・ポートマンの意志的な表情も印象的でした。

ただ、大ヒットするタイプの映画ではないことは確か。独裁国家に(私怨で)立ち向かうテロリストという構図からして、万人に受け入れられるとは思えないし、EVを拷問するのが、XXだったというのにも嫌悪感を抱く人もいるだろうし。

ところで、この映画の下地になっているガイ・フォークスや火薬陰謀事件って実際の出来事なんですね。背景を知ってると仮面や花火のことがより理解できるので、これから観る方はこの辺りの知識を仕入れておくことをお勧めします。それにしても、劇中で語られたチャイコフスキーやマクベスの引用もそうだけど、教養って、より楽しむために大切ですねぇ。
[PR]
by dlynch | 2007-02-11 23:07 | cinema

DOMINO | トニー・スコット

e0012194_2321982.jpg『パイレーツ~』キーラ・ナイトレイ『トップガン』トニー・スコットのイメージで、この『DOMINO』を観ると完全に裏切られます。いい意味じゃなくね。

なにしろ揺れまくり、フラッシュバックしまくりのカットがMTVのようにパカパカと切り替わっていくので、落ち着かないったらありゃしない。イントロだけかと思ったら、終始そんなスタイル。スタイリッシュと言えなくもないけど、やり過ぎ凝り過ぎだと思うなぁ。

物語の方も映像と同じようにぶつ切りで前後が入り交じり、いろんな人のいろんな思惑が絡み合い、アクシデントは起こっちゃうし、おまけに保釈金制度がよく分からないので、バウンティ・ハンターが何をする人なのかピンとこず、一度観たくらいではよく分かりません・・。

というわけで全体としては×なんだけど、オープニングタイトルとボーイッシュなキーラ、怪しげなミッキー・ロークの主役二人はよかった。MTVばりの映像もキーラのラブシーンのところだけは効果的。セックスを性的に描きつつも、いやらしくなく、べとべとせず、それこそスタイリッシュでカッコいい。イカレタ感じのクリストファー・ウォーケンもナイス。ところで、ミッキーがときどきブルース・ウィリスに見えたのはおいらだけ?
[PR]
by dlynch | 2007-02-10 23:21 | cinema