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チルドレン| 伊坂幸太郎

e0012194_14327.jpgようやく生活リズムが戻ってきたので、復帰第一弾に『チルドレン』を手に取ってみました。伊坂幸太郎さんの作品を読むのは初めて。俗に春樹チルドレンにカテゴライズされているみたいだけどそうかなぁ?この作品を読む限り、そんな印象は全く受けなかったんだけど。奥田英朗さんとかぶってる感じ。

帯のコピーに「活字離れのあなたに効く、小説の喜び」とあるけどまさにその通りで、読み始めたらすいすいとあっという間に終わっちゃう。あれ?もう終わり?そんな感じ。普段から小説に読み慣れているとちょっと物足りない感はあるけど、連作短編の主人公?ともいえる陣内のぬけているキャラが楽しく、悲壮感とは無縁のしかも小技の効いたストーリー、ところどころクスクス笑えて、スカッとしたハッピーエンド。気分が明るくなること間違いなし。永瀬と陣内のコンビいいなぁ。

そうか、奥田英朗さんとかぶってるんじゃなくて、『イン・ザ・プール』の伊良部と陣内がかぶってるんだ。
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by dlynch | 2007-06-30 01:06 | book

芸術起業論 | 村上隆 

e0012194_0543224.jpgどうやら余裕が無くなると架空の世界よりもリアルな世界に惹かれるようで、カンブリア宮殿に出演していた村上隆の言動に感心し、その週末『芸術起業論』を買ってみました。

それまでは村上隆と言っても胡散臭い芸術家としか思えず、どうしてあの気色悪いヲタクなフィギュアがウン千万で落札されるのか、そもそもなんでサザビーズが扱うのか、ヴィトンのモノグラム×チェリーに人気があるのか、六本木ヒルズにとんがり君がいるのか、どれもこれも理解不能だったんだけど、そいういうカラクリだったのね。村上隆は芸術家であると同時に優れたマーケッターなのです。

大学の講義で、古代ギリシャで哲学が発達したのは奴隷制度のおかげだ。生活のことを気にせずに日がな一日思考に耽っていられなければ、優れた哲学は生まれないという教授の主張を聞いたときに妙に納得した覚えがあって、芸術=ストイックでなければならないという概念はこの主張に通ずるように思う。でも、芸術家といえども食っていかなければならないわけで、認めてもらわなければ始まらない。創作活動にコストがかかるのも当然。となれば自分を、自分の作品を世間に売り込まなきゃいけない。これはもう立派なブランディング。

カラクリとはいえ、欧米の文脈(この単語は至る所に出てくる)の中に、現代の日本芸術を落とし込むことはとてつもなく大変なことだろうから、その行動力と信念、戦略、戦術、裏付けのための調査には、マーケティングを生業とするワタシにはとっても響きました。肝心の彼の作品?それは今でもよく分かりません。少なくともMiss Ko2は自宅には置きたくないなぁ。
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by dlynch | 2007-06-28 23:51 | book

テアトル東向島アカデミー賞 | 福井晴敏

e0012194_0592945.jpgこの2週間はマジ忙しかった。毎晩オフィスを出るのは12時近く。いくら仕事そのものが面白いといっても、1日の半分以上を仕事に使っちゃいかんねぇ。そんな激務の合間の気分転換に読んでいたのが、『テアトル東向島アカデミー賞』。著者の好みだけで選ばれた映画の批評です。

ヨメが買ってきたこの本。取り上げられている作品はアニメを除けば超ヨメ好みで、福井さんの言葉を借りれば「爆発アクションとスペクタクルに偏った」映画たち。だから買ってきたんだろうけど。たまには、ボクの好きな「恋愛映画やアート系のミニシアター」にもつきあってください。

とはいえ、この手の火薬量の多いアクション映画は嫌いじゃない。というか好き。取り上げされている作品で見てないのは、いくつかのアニメを除けば『スター・トレック4』、『どついたるねん』くらいかな。邦画も含めて、好みがかなり似ている。必然的に甚だ主観的な批評にもうんうんと頷けるわけだけど、逆の「恋愛映画やアート系のミニシアター」が好きな女性にはどう響くんだろう?
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by dlynch | 2007-06-15 23:00 | book

全仏オープンテニス2007 | 女子シングルス決勝

e0012194_0365414.jpgとるべきところでポイントをとって、連続してミスしない。気合いは入れても熱くなりすぎない。ミスしても腐らない。書き出してみれば、なんてことはない当たり前のことなんだけど、現実的にはなかなか実践できない。

ジュスティーヌ・エナンの強さは、この当たり前のことを常人には想像できないほどのプレッシャーのなかでこなすところにあるんだろうなと思いながら、全仏の女子シングルス決勝を観てました。スーパーなプレイを繰り出すわけでもないのにとにかく強い。イバノビッチちゃんがかわいそうなくらい強い。ありゃ、勝てないよ。彼女の爪の垢を煎じて飲めば、チャンスボールもビシッと打てるかな(チャンスボールにめっぽう弱いのです・・)

さあ、明日はロジャー・フェデラー vs. ラファエル・ナダル。漫画のような決勝戦。ローランギャロスの決勝で同じカードが2年連続で実現するのは、実に38年ぶりだそうです。
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by dlynch | 2007-06-11 00:58 | sports

ジャンプ | 佐藤正午

e0012194_0514389.jpgときおり立ち寄るヴィレッジバンガードの手書きポップに惹かれて読んでみた『ジャンプ』なんだけど、うーん、どういえばいいのか、面白くなくはないけど、つまらなくなくもないというか、便利な言葉を使わせてもらえればビミョーな感じ。

そんな話し方するヤツどこにおんの?と突っ込みを入れたくなる台詞運びや比喩の多い文体、世間から一歩引いている主人公、そして失踪する彼女。これが噂の春樹チルドレンかと思ったら、はてなダイアリーの検索では佐藤正午さんの名前は出てこないのね。影響を受けてるとかじゃなく、模倣に近いと思うんだけど。この時点でアウト。

それでもただの真似じゃんとばっさり切り捨てなかったのは、靴やリンゴやアブジンスキーのエピソードが好きだから。人生には節目とか岐路とか呼ばれるターニングポイントが慄然と存在していて、そこでどう決断するか、そもそもちゃんとそこに気づけるかが人生を左右すると考えて、ここまで生きてきたので、ここには大いに共感できるのです。なんだか真面目な書評になっちゃった。
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by dlynch | 2007-06-10 01:29 | book

かれんの成長日記

e0012194_22155874.jpgのぞみ156号事件のときに一緒だった(というか、一緒に仕事してる)Yくんに待望の赤ちゃんが誕生!

おめでとう!!

かれんの成長日記では、その親ばかっぷりがたっぷりと綴られています。これからはもっと早く帰りなよ。
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by dlynch | 2007-06-06 22:27 | others

影踏み | 横山秀夫

e0012194_23165613.jpgこのカバーデザインいいですね。まさに『影踏み』の真壁の日常。ハードボイルドな主人公とはいえ、寝静まった家に侵入するノビ師の日常は、ホテルのバーでブランデーを傾けるわけでもなく、街路灯に照らされた夜も明けきらない路地裏でひっそりと自転車に跨るんだろうなと。

刑務所から出所してきたノビ師(深夜に家屋に侵入する泥棒)が、ぶち込まれるきっかけになった事件の疑問を明らかにするうちに別の事件に巻き込まれていくという、長編のような短篇集のような不思議な流れを持つ物語。品行方正に生きる一般市民には、そこかしこに登場する符牒だけでも楽しめます。双子の弟との会話はある種のファンタジー。ちょっと泣けた。

推理小説としては伏線の張り方や意外性が面白かったけど、修一と啓二、久子の人間模様がちょっと中途半端な気がする。切なさよりももどかしさが残っちゃった気がして、なんだかすっきりしない。久子さんには未来をあげて欲しかったなぁ。
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by dlynch | 2007-06-03 23:16 | book