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cinema and book

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イルマーレ | アレハンドロ・アグレスティ

e0012194_0584538.jpgハリウッド版『イルマーレ』を観ておきながら、感想を書くのをすっかり忘れてました。観た映画や読んだ小説の履歴を残す目的で始めたブログなのにね。まぁ、それくらいさほど印象には残らなかったということでもあるんですけど。

アジアンな奥ゆかしさが効いていたオリジナル版に対して、良くも悪くもハリウッドテイストが添加されたリメイク版はストレート。そのストレートさがどうにも受け入れられなかったのは、手紙がまるでチャットのように行き交うところ。相手にいつ届くか、相手からいつ送られてくるかの間が手紙のいいところなのに、あんな風にびゅんびゅんと飛び交って、おまけに届いたことが分かるようにレバーが閉まっちゃうのはちょっとなぁ・・。

恋愛の進行もストレートで、手紙の交換が始まったと思ったら一直線に熱愛へ向かってまっしぐら。見知らぬ人から、しかも時間がずれてる彼方から手紙が来たら、もうちょっと疑心暗鬼にならないかなぁ。まだ事情を知らないケイトに秘密を打ち明けちゃうのも、ストレート過ぎるというか、情緒がないというか・・。

そんなわけで、キアヌ・リーブスがなかなかよかったことと弟とのエピソードがステキだったこと、最後に流れたポール・マッカートニーのThis Never Happened Beforeがしんみりとよかったことを除けば、オリジナルの韓国版の方が好き。ポールのアルバム買わなきゃ。
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by dlynch | 2007-09-29 00:58 | cinema

ファンタスティック4 銀河の危機 | ティム・ストーリー

e0012194_0171756.jpg前作を観たのがちょうど2年前。そのときの感想をこんな風に書いてます。「あーおもしろかったねぇ、で終わりなのでした」「もう一つ何かが欲しかったかな」。

残念ながら『ファンタスティック4 銀河の危機』を見終わったあとも同じ感想。日本人としては、日本の描き方がだめだめだった分、今回の方がマイナス。最後のあれは中国・・だよね?

全体的になんかこうパンチに欠けるんだよねぇ。それはたぶんヒーロー4人組に危機感がなくて、責任感が薄いところにあるような気がする。普通の生活がお望みなら、それについてもっと悩んだり、葛藤があったりすべきだと思うんだけど。結局、敵とは(ビクターは除く)誰も戦ってないし。

この手の映画のご多分に漏れず突っ込みどころも満載で、ん?あれ?というシーンも多い。敢えて気にしないのが作法だとしても、シルバーサーファーの翻意はどうにも納得いかない。そんなに強いんだったら最初からやっとけよ!と。個人的な突っ込みとして、ジェシカ・アルバちゃんは金髪よりも黒髪の方が似合うと思うんだけどな。でも、そうするとさらにジョニーと姉弟に見えなくなるか。
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by dlynch | 2007-09-28 23:59 | cinema

サウスバウンド | 奥田英朗

e0012194_21345564.jpg夢のある楽しい物語が平易な文章で綴られているので、あーおもしろかったで済んじゃいそうな『サウスバウンド』だけど、父性の低下が指摘される現代にあっては、もしかすると相当な傑作かも。含蓄のある台詞や痛烈な皮肉が全体をピリッと引き締めてるしね。

右だろうが左だろうが政治運動なんてうざったい以外のなにものでもなく、理屈屋が嫌い、おまけに長くサラリーマンをやってる身からすると、前半の一郎の発言や行動にはイライラさせられるのだけれど、その信念を貫き通す姿が後半になるにつれ際だってきて、気がつけばファンになってる。あんな風に何にも媚びずに自由に生きてみたい。父親ってやっぱこうじゃないと。いや、男ってこうじゃないと。

一方で、そんな感想を持ち始めた読者を突き放す「警察や企業に楯突く一人の男を・・それが父以外の、大多数の大人だ」という二郎くんのコメントはなかなかに痛烈。ここまで物語を作っておいて、こんな風に言わせるなんて。その二郎くんの成長物語ともいえる前半もなかなかよかったんだよねぇ。

主役の一郎と語り手の二郎はもちろん、さくらや洋子、桃子、南先生、黒木、向井、七恵、新垣、ベニーさん。脇役のキャラクターもとってもよくって、楽しくて、爽やかで、何かを感じられるすばらしい小説。あー南の島に行きたいなあ。
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by dlynch | 2007-09-23 21:34 | book

動機 | 横山 秀夫

e0012194_23424054.jpg軽めの文体が続いたので、久しぶりに横山秀夫さんをチョイス。『動機』を読んでみました。

この作品は4編の短編で構成されてるわけですが、どれも巧い。面白かったのは作品名でもある『動機』。読了後には清んだ気持ちになれる。心に染みたのは女子高生殺しの前科を持つ山本の哀しい『逆転の夏』。『ネタ元』は転職が当たり前、男女平等(場合によっては女性の方が強かったりする)の外資のITに身を置く者には異業界の慣習が楽しめる。『密室の人』は男子にはある意味コワイお話。

どの作品にも通ずるのは人の弱さと邪推の愚かさ。人の弱さにつけ込まずに、妙な邪推をしたいしないように大和田さんのように生きていきたいもんです。
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by dlynch | 2007-09-15 23:42 | book

トリスタンとイゾルデ | ケビン・レイノルズ

e0012194_23182281.jpgかの『ロミオとジュリエット』のモデルとなったという『トリスタンとイゾルデ』。東ローマ帝国が滅んだ直後のイングランドの王子とアイルランドの王女の古典的な悲恋の物語。

イゾルテはもっと線の細い可憐な女性の方がよかったんじゃない?という極めて個人的な好みを別にすれば、取り立ててケチをつけるところのないオーソドックスな、あまりにもオーソドックスな話の運び。驚かせたり、興奮させてくれなくてもいいけど、せめて泣かせてほしかった。

女性だったらジェームズ・フランコのきれいな顔立ちを堪能できる楽しみがあるかも。彼は『スパイダーマン』でも苦しみを抑えた切ない表情してたから、いつかコメディをやって欲しいね。
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by dlynch | 2007-09-10 23:25 | cinema

ラッキーナンバー7 | ポール・マクギガン

e0012194_1773416.jpgこれだけの豪華キャストなのにたいした話題になかった『ラッキーナンバー7』。TSUTAYAで見かけて初めてその存在を知りました。

青いシートが眩しい空港の待合所で、いきなり「There was a time」と話しかける車いすのブルース・ウィリス。さらに続くカンザスシティ・シャッフルという訳の分からないキーワード。なんだか映像がスタイリッシュだし、こりゃー気鋭の新人監督のマスターベーション映画かなぁ、寝ちゃうかもなぁと思っていたんだけれども・・。

ジョシュ・ハートネットとルーシー・リューが登場した辺りから(この二人が実によかった)、コミカルなテイストになって、モーガン・フリーマン、ベン・キングズレーを交えた無茶な展開がなかなか楽しい。スレヴィンがなんだか怪しいしいと思っていたら、なんとそういうことだったのね。そんなに驚愕のラストとは思えなかったけど、全体に張り巡らされた伏線が見事で、脚本の完成度を感じました。練りに練ったんだろうな。

インテリアを含めたファションセンスがまたすばらしくて、それぞれの役回りに合わせたクラシカルなファッション、アパートメントの壁紙、ギャングのアジト(と呼ぶにはオシャレ)の内装、色彩のコントラストなどなど、本編以外のところでも楽しめます。
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by dlynch | 2007-09-09 17:01 | cinema

さよならの代わりに | 貫井徳郎

e0012194_014128.jpg小説にせよ映画にせよ、タイムトラベルは好きなテーマの一つ。自分がタイムスリップしたらどうしよう、未来人に会ったらなに話そうと、宝くじが当たったらなにを買うかと同じくらいのレベルで夢想してる幸せなオトコだったりします。

そんなタイムスリップものの楽しみ方は、タイプスリップした本人とそれに関わった人間がその事実をどう受け入れて、どう行動するか、タイムパラドックスの落とし穴をどう活かすか、だと思うんだけど『さよならの代わりに』では、主人公がなかなか事実を受け入れず(ま、現実的にはそうだんだろうけど)、タイムパラドックスのおもしろさが終盤に集中しちゃってるところが今ひとつ。謎解きもちょっと弱い。

それでもこの本がそんなに嫌いじゃないのは、>>ここからネタバレにつき反転。未来が変わらないこと。せっかくのフィクションなのにそれは救いがないんだけど、世の中は必然の連続で成り立っていて偶然なんてひとつもないと堅く信じてる身にはその方がしっくりくるんだな。RPGじゃないんだから、やり直しは効かないしね。だからこそ、それを願うってこともあるんだけど。
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by dlynch | 2007-09-08 00:08 | book

ディパーテッド | マーティン・スコセッシ

e0012194_2142593.jpgオリジナルの『インファナルアフェア』があれだけの名作、それをマーティン・スコセッシがリメイク、そして、アカデミーの作品・監督・脚色・編集の4部門に輝いているとなれば、否が応にも『ディパーテッド』への期待は高まるのに・・・。

まず、バックグランドに米国の人種差別や移民同士の諍いを持ち込んだのが、日本人にはピンとこない。だから、ビリーが執拗に生まれのことを責められるところはただ不愉快なだけで、おまけにそのシーンが長かっただけだけに潜入捜査中の苦しさが今ひとつ伝わってこない。その潜入中に情報を送るのもケイタイをピピッとするだけで緊迫感ないし。そう、全体的に緊迫感が薄いんだよねぇ。

なによりもオリジナルを超えられなかったのは役者。ディカプリオもマット・デイモンも熱演はしてたけど、チャーミングで笑顔がステキだったトニー・レオンとエリート然としたアンディ・ラウには及ばず。そして、ウォン警部とサムの存在感を再認識。ジャック・ニコルソンは良くも悪くも存在感ありすぎ。

あのオーディオショップでの邂逅。あれがよかったのになんで相応のエピソードを入れなかったんだろう?マドリンがその役目だったんだろうか?
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by dlynch | 2007-09-06 21:42 | cinema

フラガール | 李相日

e0012194_0294973.jpg久しぶりにMy Favoriteを更新!新しく加わったのは『フラガール』でーす。

評判に違わぬいい映画でした。5回は鼻がツーンと来て、2回は涙ぐんだかな(富司純子さんのストーブ貸してくださいと松雪さんのアンタたちサイコ!ね)。一人で観てたらぐしゅぐしゅ泣いてただろうなぁ。ストーリーそのものはとてもベタで、よくある話といえばよくある話なんだけど、直向きにがんばるってそのシンプルな姿勢が清々しくて、蒼井優ちゃんがソロパートを練習するシーンには心打たれます。その練習を何も言わずに見守る富司純子さんにもね。松雪さんもきれいだったなぁ。

ただ一つだけ不満があって、あと5分足してもいいから、夕張に引っ越してしまった早苗ちゃんを最後にもう一度出して欲しかった。

最後に忘れちゃいけないのが音楽。ジェイク・シマブクロさんはこの映画で初めて知ったんだけど、ハワイアンのメランコリーなサウンドがこの映画にピッタリ。DVDはもちろんサウンドトラックも購入決定。今度は一人でこっそり観よっと。
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by dlynch | 2007-09-03 23:29 | cinema

トランスフォーマー | マイケル・ベイ

e0012194_17143113.jpgこりゃもう夏休みにぴったりの娯楽超大作。「驚異の映像革命が、映画史を塗り替える」というコピーも伊達じゃない。トランスフォームしまくりという揶揄も一部にはあるようだけど、そのトランスフォームがスゴイの何のって、『トランスフォーマー』はディズニーランドのアトラクションばりに楽しめます。

男の子としては何よりも変形がたまらん。スポーツカーや戦闘機が変形してロボットになるってだけでも目がキラキラしちゃうのに、そのギミックたるやすんげぇの一言です。変形するときの機械音もなかなかいい感じ。カメラが寄ったときも引いたときもそれはもう見事な映像。

ストーリーはありふれてるし、突っ込みどころも多いけど、SF+謎+愛+友情+家族愛+スリル+笑いがバランスよくまとまった傑作。笑わせ方がなかなか凝っていて、クスクスときどきグラゲラ笑えるのも楽しい。サムがミーガンを誘うときにバンブルビーが使った曲もよかったなぁ。まだ見てない幸せな人は劇場で観るべし。
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by dlynch | 2007-09-02 17:32 | cinema