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LOST シーズン3 | J.J.エイブラムス

e0012194_029411.jpgシーズン1では島に不時着した乗客たちのサバイバル、シーズン2では忍び寄るothersの影、そして『シーズン3』では、そのothersとの戦い。

これが主軸となって、登場人物の過去や島の謎が絡んでくるわけだけど、シーズン3になっても謎は深まるばかり。othersが何者であるとか、ダーマってなんだとか、なぜ墜落した人々に接触するのかとか、何となく明らかにされた事項はあるんだけど、肝心の島と墜落の謎がね・・。ヴォ~ンって咆哮をあげながら襲ってくる黒い霧みたいなのの謎もそのまま。そして、最後のジャックとケイト。あれって、そういうことだよね?

ジャックとケイトといえば、ここにソーヤとジュリエットが加わった4画関係、冴えない下っ端だと思っていたベンの存在感、ハーリーのいいやつぶりあたりが、シーズン3の見所かな。リーダーシップを発揮していたジャックの苦悩も見所の一つ。でも、ヨメ曰く「ジャックはすぐにテンパるから嫌い」だそう。

それではシーズン4までナマステ(ぺこり)。
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by dlynch | 2007-11-30 23:29 | teevee

駆け込み交番 | 乃南アサ

e0012194_23403088.jpgうちのすぐ近くに交番があります。住宅街なので、おそらく凶悪な殺人事件や組同士の抗争とは無縁の、道案内とか拾得物の届け出とか、そんなんがメインの平和な仕事なんじゃないかなーとのほほんと(そう見える)立番してるお巡りさんを見てると思うわけですが、実際は一般人には想像できないほど大変なのかもと『ボクの町』を読みながら思ったもんです。『駆け込み交番』はその続編。

研修時代は警察手帳に彼女のプリクラを貼ってた高木聖大くんも少しは成長して、警察官としての責務に目覚めながらも、相変わらずなめた口の利き方をしつつ、でも彼女は欲しかったり、警察の縦社会に順応し始めたりと、まっとうな社会人的な生活を歩み始めた若者の混濁した様子がなんだかほほ笑ましい。警察官とはいえども実体はごく普通の人間だから、当たり前といえば当たり前だけど、こういう視点で警察を取り上げた小説ってなかなか見あたらないですよね、そこがこのシリーズ?の新鮮なところ。

聖大くんの成長と共にこの『駆け込み交番』の核を成しているのが、第一章で語られる「とどろきセブン」の面々。必殺仕事人よろしく警察では対処できない事件を裏から成敗する一癖もふた癖もある老人たちの趣味だったりするわけですが、次作では彼らがどんな暗躍をしているのかが知りたいかなと。ちなみにボクの中の文恵さんは八千草薫さんです。
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by dlynch | 2007-11-27 00:07 | book

走ることについて語るときに僕の語ること | 村上春樹

e0012194_1328577.jpg村上春樹のファンで、ジョギングが日課(といっても週に3回走ればいいほうだけど)となりゃ、『走ることについて語るときに僕の語ること』は読まないわけにはいかないでしょ。ちなみに英語的なこのタイトルはレイモンド・カーヴァーのタイトルから引用したそうです。

日常的に走ることが、フルマラソンを走ることが、身体を鍛練することが、職業的作家である自身にとってどんな意味を持っているのか?一般的な企業人にも通ずるところがあって、興味深い。一般的な小説家のイメージって、閃いたインスピレーションをバーッと文章にしていく芸術家的なところがないですか?でも、考えてみれば当たり前だけど、一日や二日で小説が書けるわけがないし、集中力を維持して筆を運ぶには体力が必要なんだよね。

印象に残ったのは、齢58になる村上春樹が「老い」について語っていること。確かに運動を続けることは、昔取った杵柄的に記憶の中にある若さを思い出してしまうことでもあって、マラソンの場合は残酷にもタイムという数字で示されちゃうからよけいに意識せざるを得ない訳だけど、村上春樹が老いについて語っているのはなんだか不思議。いつまでも、パスタ茹でて、海岸でビール飲んでるイメージなんだよね。

ところで、こうして彼のエッセイを読んでみると、これぞ自分だと思っていた性格や性行には、村上春樹の影響をおもいっきり受けていることが垣間見えて、ちょっと恥ずかしい・・。
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by dlynch | 2007-11-25 13:33 | book

サッド・ムービー | クォン・ジョングァン

e0012194_23444357.jpgタイトルを額面通りに受け取って、これはわんわんと号泣しちゃう(しちゃいたい)映画と思ったら間違い。『サッド・ムービー』はどちらかといえば、じんわりと泣けてくる系です。

ポスターのとおり4組の男女がそれぞれに悲しかったり切なかったりする事情を抱えていて、それぞれのストーリーが微妙に交錯しながら、悲しいことに悲しい方向に向かって進みます。同じプロットの『ラブ・アクチュアリー』の場合はラブコメでそれが成功してたけど、こっちでは微妙かな。泣けてきそうになると対象が代わっちゃうので、涙が引いちゃう。ストーリーの錯綜も今ひとつ。韓国映画らしいベタベタな演出も満載なので、ダメなヒトにはダメかも。

と批判めいたコメントをしつつも、好きです。この映画。

人が人を思いやる気持ちそのものや気持ちをなかなか素直に伝えられなかったり、冗談で済ませちゃったり、そんな誰もが切なく思い出しちゃうエピソードが丁寧に描かれてる。チョン・ウソンをはじめとした俳優さんたちも魅力的で、シン・ミナちゃんのファンになっちゃいました。彼女どこかで見たことがあると思ったら『火山高』の剣士だったのね。映像がとてもきれいで、サウンドトラックもセンスがいい。寒くなってきたこの季節にはピッタリ。
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by dlynch | 2007-11-22 00:37 | cinema

半島を出よ(下) | 村上龍

e0012194_23393953.jpg上下巻を読み終えて感じたのは、『半島を出よ』は村上龍らしい小説だなぁということ。系列は『愛と幻想のファシズム』や『五分後の世界』と同じ。そこにマイノリティとマジョリティの構図が持ち込まれて、日本の危機管理能力の低さや責任の所在の曖昧さが指摘され、危機を現実と捉えられない国民の姿が投影され、マスコミの視点の甘さが揶揄される。その代わりSMやエロはなし。

村上龍らしいのは文章もそう。あんな風に暴力的で緻密でグロテスクで、息が詰まるような文章を書ける文才ってすごい。テーマがテーマなだけに、北朝鮮のコマンドや兵器、化学の描写に目がいきがちだけど、「無添加のワッフルをオーブンで焼き、国産のレンゲの蜂蜜をかけて、有機農業で作られたフルーツトマトと、その日しぼりたてだというオレンジジュースと、小岩井農場の低温殺菌の牛乳」なんて描写は普通できないでしょ?イシハラの妙な言い回しにしてもそう。作家だからといえばそれまでなんだけど、一般的な作家と較べてもレベルが違う。漫画でいう井上雄彦のような圧倒的な違い。

ただあまりにも書き込み過ぎなのでは?という箇所も見受けられるので(コマンドたちの思い出やタケイが武器を披露するところとか)、そこを軽くして日本政府や福岡の役所、業者、市井の人、マスコミの視点にももう少し誌面を割いて欲しかったかな。もう一冊分書いてくれてもいいくらい。

いずれにせよ、よい意味でいろんなことを考えさせられました。話題になったのがよく分かる。マジョリティにいるんだから、せめてヒトとして生命力のある生き方をしないと。
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by dlynch | 2007-11-10 23:43 | book

半島を出よ(上) | 村上龍

e0012194_110161.jpg久しぶりの村上龍です。

かの『愛と幻想のファシズム』がリリースされたのが大学生のときで、『69』『テニスボーイの憂鬱』も同じ頃。その前には『コインロッカー・ベイビーズ』『限りなく透明に近いブルー』があり、後には『フィジーの小人』『超伝導ナイトクラブ』がありと、この頃が作家としてもっともノってたときではないかと。その後、村上龍はさらに経済、政治、科学に傾倒していく訳ですが、それがこの『半島を出よ』に集約されてます。

北朝鮮のコマンドが福岡を制圧する。ここまでは誰でも思いつけるかも知れない。だけど、なぜ制圧するのか?どうやって制圧するのか?兵士のモチベーションは?制圧後のビジョンは?日本はどう迎え撃つのか?福岡市民はどうなるのか?米国や韓国はどう動くのか?

フィクションにリアリティを与えるためには、ものすごい想像力と情報が必要なわけで、経済、政治、科学、軍事の知識をたっぷりとため込んだ村上龍がいつもの暴力的な筆力でぐんぐんと物語を進めていきます。しつこいくらいのコマンドや武器にまつわるディテールもあいまって、ホントに未来の日本はこうなっちゃうんだと錯覚するくらい。

セリフはほとんどなく、専門用語も多く、句読点が少ない文体なので(学生のころ、無謀にも真似たことがあった)、お世辞にも読みやすいとはいえないけど、気がつけば残すところあと2章。さて、どんなフィナーレが待っているのか。
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by dlynch | 2007-11-09 22:32 | book

どろろ | 塩田明彦

e0012194_172026.jpgたぶんつまんないだろうなと思いながらも、とりあえず話題作だからと観てしまう悪い癖。いつかはいい作品に出会うはずだという淡い期待感。そんなわけで、過去の失敗は忘れて『どろろ』を観てみたんだけど・・。

何がひどいってなによりCG。百鬼丸が戦う魔物たちのチープさといったら、テレビの特撮番組レベル。製作予算の桁が違うから、ハリウッドの超絶VFXと較べてはいけないのは分かるんだけど、観客としては同じ料金を払ってみるわけだし、もうちょっと何とかならなかったのかなぁ。アクションはいかにもワイヤーアクションだし、迫力は全然ないし、絵的にはもうさんざん。ムリに実写にするより、アニメーションでやって欲しかった。

主役の二人もいまひとつで、とくに柴咲コウが演じたどろろが妙に浮き足立ってたような感じがするんだけど、原作でもあんなキャラクターなんでしょうか?中井喜一や原田美枝子さんが巧いのは当たり前として、劇団ひとりが役者としてなかなかよかったのだけが救い。

どうやら続編につなぐようだけど、こんなレベルの作品を連発していていいのか?邦画。
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by dlynch | 2007-11-08 23:07 | cinema

ゴーストライダー | マーク・スティーブン・ジョンソン

e0012194_165956.jpg続いては、MARVEL史上最高の駄作の栄誉を贈りたい『ゴーストライダー』。いやーマイッタ。面白くなさそうな雰囲気は感じていたけど、ここまでつまらない映画だったとは。

まず、ゴーストライダーの立ち位置がよく分からない。悪魔の使いだけど、悪魔に反旗を翻したヒーローなの?ブラックハートと戦うのはメフィストに命じられたからだよね?なんで命じられるがままに戦うの?ゴーストライダーは1世代に1人だけって、その世代はどうやって決められてるんだろう?サム・エリオットは併走しただけだし。たいていの矛盾は笑って見過ごすんだけど、肝心要のキャストに矛盾があるんじゃ、ちょっとね。

この手のヒーローものに必要な敵との汗握るバトルも物足りないし(というかあっという間にやられちゃう)、VFXもそこそこでしかないし、何もかもが中途半端な印象。せめて、『エスケープ・フロム・L.A.』くらいのぶっ飛んだB級になれば救いもあったのにハンパなA級映画。
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by dlynch | 2007-11-03 01:07 | cinema

千里眼の教室 | 松岡圭祐

e0012194_162732.jpg正直なところ、角川の新シリーズになって物足りなさを感じはじめたところに『千里眼の教室』でとどめを刺されました。悲しいことにシリーズ史上最高の駄作です・・。

いじめやゆとり教育の弊害、世界史の履修不足をタイムリーに取り上げるのはいいんだけど、肝心要の高校生が独立を宣言することになったきっかけが、今どき漫画のネタにもならない奇妙奇天烈なあんな理屈だったとは。だいたい、独立を宣言した高校生が模擬試験の点数アップを狙うって、なんだそりゃ。おまけに学力アップのために考えられた策といい、外貨を稼ぐための策といい、どれもが子供じみていて、いちいち感心してみせる美由紀ちゃんが痛々しい。

その美由紀ちゃんにして、相も変わらず自衛隊の戦闘機をレンタカーのように拝借しながら反省の色なし。自衛隊への復帰を求められると断るくせに、元自衛官であることを最大限に利用するって、清廉な美由紀ちゃんとしては矛盾してないのか?

『千里眼』シリーズの魅力は、奇想天外な設定ながらも、そこそこのリアリティをベースに岬美由紀の超人的な活躍で困難を乗り切る、悪に立ち向かうところなのに、今回はそのどちらもなし。そろそろこのシリーズ読むのやめようかな。
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by dlynch | 2007-11-03 01:06 | book

手紙 | 生野慈朗

e0012194_2351683.jpg映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶で日本中を騒がせたエリカ様。みんな騒ぎすぎ。とくにマスコミ騒ぎすぎ。ほかに報道しなきゃいけないこといっぱいあるのに。そんなエリカ様はじめ、山田孝之、玉山鉄二の主役3人と脇役の名演に思わずホロリとくるのが『手紙』です。

原作の方は、my best東野に割り込んできたくらいのお気に入りで、大抵の場合、原作を読んだあとに映画を観るとがっかりすることが多いんだけど、この作品は珍しく違う。

ミュージシャン→お笑い芸人の設定変更を除いて、原作にとても忠実で、もちろん2時間に収めなきゃいけない制約のためにいろんなエピソードが削られてるけど、骨子を忠実に守っていて、原作をリスペクトしてるのがよく分かる。お笑いへの変更にしても、今の時代感にあってるし、ラストにも巧く引き継がれてるし。原作が持つ軸をぶらさず、さらに役者陣が読者の想像力の先をいく名演を見せてくれるまれに見る傑作じゃないかな。玉山鉄二の姿には心打たれます。

ただ一方で映画じゃなくてテレビドラマでもよかったんじゃない?と思ってしまったのも事実で、映画の持つ映像のチカラをどこかで発揮して欲しかった。全体的にのっぺりしちゃってるので。まぁ、これは邦画全般にいえることでもあるけど。
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by dlynch | 2007-11-01 22:00 | cinema