ちょうど法事で実家に戻ったので、本棚に残っていた
『アルキメデスは手を汚さない』を拝借してきました。これ読むのは大学以来だなぁ。いつのまにか、講談社文庫から新装版が出てたんですね。女子高生?と夕焼けの新しい装丁はなんだか違う本みたい。
舞台が昭和47年と、36年も前の話なので、セリフ回しとかディテールが古くさいのは仕方がないとしても、当時は下火になっていたとはいえ、学生運動が動機に影響してるのは、今読むとピンと来ません。だから動機が弱いと感じちゃう。謎のキーワードあり、密室トリックありと、ミステリーとしてよくできてるんだけど、より楽しむには読者を限定しちゃうかな。
弁当セリ市を主宰していた田中くん。最近の若者は何を考えているか分からん象徴とも言えるアルキの会をあざ笑うかのように、最後の最後に存在感を増してきた彼の発言はまさに今の日本を象徴しているようで興味深い。ホリエモンの原点がここに。