日本でも社会の格差が生まれつつあるとはいえ、米国に較べればまだまだ均一な社会なんだなとか、眠れる場所があるというのはそれだけで幸せなことなんだと
『幸せのちから』を観ながら考えてしまいました。
一言で言えば現代のサクセスストーリー。でも、サクセスするには、ウィットに富む知恵と効率的に時間を使うこと、自分を押し通す強引さ、チャンスと見たら逃さない行動力、なによりも這い上がるんだという強い意志が必要なんだと教えてくれます。列に横入りされたらはり倒す、自分の直前で列が打ち切られても無理矢理でも入っちゃう、それくらいの強引さがないとね。
ウィル・スミスといえば、エイリアンをポカン!と素手で殴り倒しちゃうようなお気楽キャラだと思っていたんだけど、さきの
『アイ・アム・レジェンド』といいこの作品といい、いい感じの役者になってきましたね。地下鉄のホームで息子(実子なんだって)を笑顔で宥めつつ、トイレで一夜を過ごすことになったときの屈辱に堪える涙には、じんわりきちゃった。ポイントポイントでハッとするような印象的なシーンも多くて、とても上質な映画を観られた感に包んでくれます。